冨士眞奈美さん、吉行和子さんもこの頃、姿を見せない。

 今は常連として黒柳徹子、中山千夏、田村セツコ、矢吹申彦、平松尚樹、松元ヒロ夫妻、そして私とつれあい等、夕食を共にしながら、作句よりおしゃべりに忙しい。

 一月句会は福引句会で、一人五千円ぐらいの賞品を持参する。

「〇〇とかけて××と解く」そのこころは……と賞品を結びつけるのが、句をつくるより難しい。

 もう一つは、NHK文化センターの新年会。山形県鶴岡、栃木県日光、長野県上田、静岡県浜名湖など全国から集まっているので、年一回、つれあいが福引賞品を用意してねぎらう。

 第一回から四半世紀通ってくれている塾長をはじめとして、エッセイの他、メールで「あかつき句会」もやっている。

 新人が入り、やめていく人もいるが、おかげさまで三年待ちや出戻りもOKだ。“来る者拒まず去る者は追わず”。今年も淡々と過ぎていく。

週刊朝日  2020年1月31日号

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下重暁子

下重暁子

下重暁子(しもじゅう・あきこ)/作家。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業後、NHKに入局。民放キャスターを経て、文筆活動に入る。この連載に加筆した『死は最後で最大のときめき』(朝日新書)が発売中

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