「克行氏は菅官房長官の子飼い中の子飼い。昨夏、案里さんを参院選に出馬させたのも、菅氏がポスト安倍でライバル視する岸田文雄政調会長の派閥議員を落選させる策略だった。結果、岸田派議員が落選したので、克行氏は法相に抜擢されたが、疑惑発覚で辞任。菅氏はIR疑獄も重なり立場なく孤立している」(自民党幹部)

 その菅氏は10日、「桜を見る会」の招待者名簿の取り扱いについて、公文書管理法違反を認めた。野党は各党の国対委員長が会談し、違反が菅氏の足元で行われていたとして菅氏に辞任要求することで一致した。

「自民党内部にも対立があり、安倍さんを守るために、菅降ろしをしかけているのではないかと見られるふしもある」(政治ジャーナリスト)

 一方、「IR汚職」の捜査も着々と進んでいるようだ。捜査関係者はこうつぶやく。

「カルロス・ゴーンのレバノン逃亡は検察の失態。ゴーンが何かアクションを起こすたびに、日本だけでなく、世界のマスコミが大騒ぎするから、上層部はめちゃくちゃ気にしているよ。IR捜査で検察の威信を示すと言っている」

 東京地検特捜部は14日、衆院議員の秋元司容疑者=自民党離党=を、中国企業「500ドットコム」などから約350万円の賄賂を受け取った疑いで、500社顧問の紺野昌彦ら3容疑者を贈賄容疑で再逮捕した。秋元容疑者の元政策秘書、500社と共同でIR参入を計画していた札幌市の観光会社会長も在宅起訴となった。

 札幌市の観光会社関係者はこう話す。

「うちはホテル代20万円とスキーのリフト券を、秋元先生に渡したということが賄賂だと取り調べられた。国会議員の先生が家族で来られて、何もしないわけにはいかないから代金を請求しなかっただけ。検察は飛行機代も払ったんじゃないかと疑っていたが、うちは出していないよ」

 秋元容疑者に近づくメリットは特になかったという。

「秋元先生よりもっと上の方をたくさん知っているからね。500社側が熱心でニセコが一歩リードしている状況で何とか留寿都に持ってこられないかと力を入れていた。もっと慎重になればよかった」(観光会社関係者)

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1200万円が行方不明?