高校ごとのノートがある「有薫酒蔵」の松永洋子さん (撮影/池田正史)
高校ごとのノートがある「有薫酒蔵」の松永洋子さん (撮影/池田正史)
やってはいけない七カ条 (週刊朝日2020年1月24号より)
やってはいけない七カ条 (週刊朝日2020年1月24号より)

 年末年始に同窓会に参加した人は多いはず。なかには、自慢話ばかりで行きたくないという人もいる。でも、うまく活用すれば、人脈が広がり心も若返る。楽しむための「べからず集」を守れば大丈夫。

【同窓会でやってはいけない七カ条】

 同窓会に行きたくないという理由として、自慢話を聞かされることを挙げる人もいる。一人ひとりがちょっと気をつければ、みんなが参加しやすくなる。

 下記の「やってはいけない七カ条」を見てほしい。当たり前のことのように思えるが、久しぶりに再会した勢いで、思わずやってしまっている人も多い。

 特に自慢話は、相手が普通に聞いてくれていても、心の中では不愉快に思われていることもある。同窓会の良さは、会社などの上下関係を離れて打ち解けること。容姿や年収、結婚や子どもの有無などは、人によっては負担を感じるテーマ。相手が困るような話題はできるだけ避けよう。

 同窓生だからといって、気を許しすぎるのもアウト。よく知らない人とメールや電話番号を交換したところ、押し売りや勧誘活動で迷惑したという事例もある。こうした点さえ押さえれば、それぞれが自分なりに楽しめばいい。

 開きたくてもきっかけがなかったり、幹事役がいなかったりすることもある。そんなときは、同窓生をつなぐお店やサービスを利用するのも手だ。

「人と人のつながりは大きな財産です。その架け橋になれたらいいなと思っています」

 東京・新橋の九州郷土料理店「有薫酒蔵」の女将の松永洋子さんはこう話す。店内には出身高校への思いが詰まった「ノート」が所狭しと並ぶ。高校ごとに名前や卒業年、連絡先などが書き込まれていて、その数は全国の高校の約6割に当たる3200冊余りに達する。このノート目当てに来店する人もたくさんいる。

 きっかけは、約30年前、福岡県の久留米大学附設高校出身の常連客から、「上京した者同士が近況報告できる方法が欲しい」と求められ、一冊のノートを置いたこと。以来、九州地方の高校から増え始め、東京や神奈川、大阪や名古屋などに広がっていった。

著者プロフィールを見る
池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

池田正史の記事一覧はこちら
著者プロフィールを見る
吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

吉崎洋夫の記事一覧はこちら
次のページ