だってそうでしょ。米国とイランがもめたら、この国としてどうする、どうあるべきかってのがない。

 共産党の志位和夫委員長のほうがよっぽどこの国の首相ぽいわ。3日、自身のツイッターに、「トランプ米政権が、イランに対する軍事的挑発行動を行い、両国の緊張関係が激化するもとで、自衛隊の中東沖への派兵は、いっそう無謀で、危険きわまりないものとなった。いま安倍政権がなすべきは、派兵の決定を撤回し、トランプ大統領に対して軍事的挑発をやめイラン核合意への復帰を説く外交努力だ」とあげた。

 そうだよ、この国として、こういう声明があがるべきでしょ。

 政府は、昨年末に自衛隊の中東派遣を閣議決定した。なのになぜ、こんなにゆったりしてるんだ。

 国旗がかけられ、並べられた棺を見ることになってもなんとも思わないってか?

 彼らの支持者にも、あたしはおなじことをいいたい。

週刊朝日  2020年1月24日号

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室井佑月

室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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