生への感謝、生き物に向ける愛情、穏やかな会話、ゆっくりと進む老い……高橋さんの生き様はまさに舞台「黄昏」で表現される世界観そのものだ。

 現在、舞台「黄昏」は稽古の真っ最中。映画やテレビドラマで活躍する女優というイメージが強いが、このところ舞台づいている。19年だけでも「まほろば」「黒白珠」「サザエさん」など、話題の舞台に立て続けに出演している。

「確かに、最近は舞台が多いです。舞台には舞台ならではの良さがあるの。演じるという意味では基本的には変わらないけど、舞台には長い稽古期間で演出家や共演者、スタッフと作り上げていく楽しさがある。それと舞台は始めと終わりがはっきりしている。幕が上がってから下りるまで。一日一日がすっきり終わるという良さがある。昔の映画は朝集合する時間だけ決まっていて、何時に終わるかわからない。集中していると持たないから、監督の“よーい”がかかったときに思いっきり集中。それ以外の時間は、リラックスして過ごしていた」

 16日初日の「黄昏」に向け、意気込みを語る。

「舞台は集中の仕方が映画とは違うんです。お客様が目の前にいる状態で演じるのも違いますね。同じ舞台は二度とないし、再現性もない。記憶に残してもらうしかないというところも気に入ってます。ぜひ、予定をあけてでも、舞台を見に来てほしいです」

(本誌・鈴木裕也)

■THIS WEEK
12月11日(水)
チェーン展開するラーメン店「幸楽苑」の新商品発表イベントにゲスト出演。
12月12日(木)
雑誌「ハルメク」の着物リフォーム特集の撮影。
12月13日(金)
1月11日スタートのWOWOW連続ドラマ、中山美穂主演「彼らを見ればわかること」の撮影で新宿に行く。
12月14日(土)
お休み。夫婦で海鮮チゲ鍋を食べる。
12月15日(日)
世田谷区のスタジオにてWOWOWドラマの撮影。
12月16日(月)
WOWOWドラマ撮影を終えた後、楽しみにしていた舞台「黄昏」の顔合わせと本読み。いよいよ上演1カ月前。稽古の日々が始まった。人生の黄昏時を迎えた夫婦が家族の絆を探していく物語で、10歳年上の夫・ノーマンの妻・エセルを演じる。
12月17日(火)
この日もWOWOWドラマの撮影の後、舞台の振り付け稽古。その後、撮影スタジオに移り、舞台のPR番組を収録。

週刊朝日  2020年1月17日号