音楽界では、デビュー20周年で近年は「美しさ」に磨きをかけ新たな魅力をふりまく氷川きよし、60周年を迎えなお精力的な活動を行う加山雄三や橋幸夫といった大ベテラン、さらに40周年の松田聖子といったところから、ジャニーズのSnow ManとSixTONESの2組同時デビュー、ガールズバンド東京初期衝動やアイドルグループ爆裂女子の確変の可能性など、話題に事欠かない一年になりそうだ。

 バラエティー界は、特に吉本興業所属の芸人にとっては、昨年の「闇営業」問題の暗いムードを払拭(ふっしょく)したいところ。第15代M‐1王者のミルクボーイが、霜降り明星や和牛に続くお茶の間の人気者になれるかどうかにも注目したい。ファーストサマーウイカ、Matt、ローランドといった、芸人ではないがトーク力や強力なキャラを持つタレントも、ますます目にする機会が増えることは間違いない。

 学術分野への期待もふくらむ。心筋梗塞(こうそく)などの発症を抑える脂質異常症治療薬「スタチン」のベースとなる物質を見つけた遠藤章・東京農工大学特別栄誉教授や、免疫のブレーキのしくみを解明してガードナー国際賞を15年に受けた坂口志文・大阪大学特任教授らに注目が集まる。

 また、満屋裕明・国立国際医療研究センター研究所長は世界初のエイズ治療薬3剤と、第2世代の治療薬「ダルナビル」の開発に中心的な役割を果たした。その普及は開発途上国などでたくさんの命を救う結果につながっており、満屋さんらの発見の意義を重く見る人も多い。(本誌・太田サトル、山内リカ)

週刊朝日  2020年1月17日号