星野リゾートでは海外の方々に支持してもらえるような活動もしていますが、日本人の国内観光への取り組みが大事と考えています。特に将来の国内観光を支えるのは20代、30代の日本人で、こうした人たちに国内旅行をしてもらえる取り組みが重要になります。

 そこで「BEB(べブ)」という星野リゾートでは5つ目のブランドを立ち上げました。20代の方は20年後に40代になります。こういう人たちに旅という楽しさを知ってもらい、星野リゾートのファンになっていただきたいと思っています。その使命を担っているのがBEBなのです。

 星野リゾートは「BEB5 軽井沢」(長野県・軽井沢町)を2019年2月に開業し、多くの若い方にご利用いただいております。20年3月には2施設目の「BEB5 土浦」(茨城県・土浦市)を開業予定です。

 ここは大切です。今まで土浦の観光需要は大きくありませんでしたが、若い方々に観光需要をつくり出してもらおうと考えており、将来は多数のホテルが誕生する可能性があります。20年の大きな柱になる事業です。

 星野リゾートはアジアで2つの施設を運営していますが、米国にも積極的に進出していきます。初の北米進出の第一ステップとして、20年1月15日にハワイ・ホノルルのワイキキに「サーフジャック ハワイ」を運営します。

 北米も重要です。世界の大型ホテル運営事業のほとんどが北米発となっています。私たちは世界で戦える運営会社としての実力をつける必要があります。ハワイで実績を上げていくのが20年の大きな課題です。

 海外では主に、圧倒的な非日常感を提案する「星のや」を展開していきたいと考えています。他は「OMO(おも)」のような都市観光ホテルも展開していきます。その場所に適したサブブランドで、拠点を増やしていきたいと考えております。(本誌・浅井秀樹)

※週刊朝日オンライン限定記事