つながりというものは、選手を引退してからも続くもの。引退後も野球界で食べていける人間はひと握りしかいない。その大好きな野球の仕事を続けるにしても、いろいろな野球界のつながりが大切になることは言うまでもない。

 松坂大輔の西武復帰が決まったことは前々回のコラムでも書いたが、彼は人とのつながりを大切にする男だ。このオフ、大輔が中日を退団した後に「東尾さん、大輔をちゃんとサポートしてあげて」と野球界だけでなく、何人に言われたことだろう。私が何もしなくても見てくれている人がいる。14年ぶりに西武に復帰できたのも、彼の人間性というものも含めて評価されたと考える。

 19年も残すところあと少し。寒さも厳しくなっていますが、読者の皆さまも健康に留意して、良いお年をお迎えください。

週刊朝日  2020年1月3‐10日合併号

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東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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