――誰にも頼んでいないと言うが、山口さんの知らないところで働きかけがあったのでは。

 はっきり申し上げられるのは、この事案についてどの政治家にも警察の方にも官僚にも何もお願いしていない。それ以上のことは何も聞いていませんので、私の知らないところで何が起きていたかという質問に答えるのは適切ではない。何かが動いたという話を間接的にも聞いたことはありません。

――逮捕状が執行されなかったという報道があった後に、どういうことがあったのか確認もされていないのですね。

 まず私は自分で犯罪を犯していません。ですから捜査が行われていることを知るよしもない。報道が出た後は、誰かに電話をしたりメールをしたりすることは誤解を招くので、一切の連絡を絶ちました。誰にも一切頼んでいません。

――山口さんの言うことが正しいとすれば伊藤さんはうそをついていることになるが、その動機はなんだと思いますか。山口さんは法を犯していないというが、振り返ってみて違法でなくてもこうすればよかったと思うことはありますか。

 なぜ伊藤さんがいろんなうそ言うのかは分かりませんが、感じることはあります。個人としては、伊藤さんの信頼性や人間性を攻撃したいとは思わない。私は真実を述べています。この事案では、伊藤さんは世界的に名前を知られて、同情されるようになりました。この事案から得られたものが多くあります。

 私は罪を犯していません。法的な発言として間違って解釈されると困るので、「反省」という言葉は言わないようにしています。でもこういうことが起きたことは、とても残念に思います。伊藤さんはPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状が残っているというが、私にも症状があり精神科にもかかっています。

――官僚や政治家に何も頼んでいないと言うが、「北村さん」にメールを転送しようとしていた。北村さんとは、当時内閣情報官だった北村滋さんではないのか。

 北村さんという方にメールを送っているのは事実。父が弁護士をしており昨年亡くなったが、北村さんとは父の友人の方です。北村滋さんとは全く無関係の民間の方です。

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控訴によって裁判は長期化の可能性も