フレディ・マーキュリーと松たか子がハモる!? “涙”のラジオドラマ (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)
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フレディ・マーキュリーと松たか子がハモる!? “涙”のラジオドラマ

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延江浩週刊朝日#延江浩
延江浩(のぶえ・ひろし)/1958年、東京都生まれ。慶大卒。TFM「村上RADIO」ゼネラルプロデューサー。国文学研究資料館・文化庁共催「ないじぇる芸術共創ラボ」委員。小説現代新人賞、ABU(アジア太平洋放送連合)賞ドキュメンタリー部門グランプリ、日本放送文化大賞グランプリ、ギャラクシー大賞など受賞

延江浩(のぶえ・ひろし)/1958年、東京都生まれ。慶大卒。TFM「村上RADIO」ゼネラルプロデューサー。国文学研究資料館・文化庁共催「ないじぇる芸術共創ラボ」委員。小説現代新人賞、ABU(アジア太平洋放送連合)賞ドキュメンタリー部門グランプリ、日本放送文化大賞グランプリ、ギャラクシー大賞など受賞

NODA・MAP第23回公演「Q」:A Night At The Kabuki 撮影:篠山紀信

NODA・MAP第23回公演「Q」:A Night At The Kabuki 撮影:篠山紀信

 広瀬すずが演じる若き日の愁里愛には次々に苦難が襲いかかる。

 瑯壬生を愛するあまり彼女は叫ぶ!

「仇はあなたの名前だけ……。その名を捨ててもあなたはあなた。名前を捨てて私のすべてを手に入れて!」

 このセリフにSNSなどネット文化=無名性が跋扈(ばっこ)する現代への風刺が見受けられた。

 演目の副題に“Inspired by A Night At The Opera”と記されている。「クイーンが愛する日本で、彼らの名盤『オペラ座の夜』の世界観を舞台にできないか?」というオファーを野田が受け、構想2年。フレディ・マーキュリーと松たか子の澄んだ声が見事にハモり、東京芸術劇場のステージから天空へと届かんばかりに伸び、僕は登場人物と人生の高い峰を登っている気分になった。

 艱難と辛苦を乗り越えながら恋の歩を進め、山の頂(いただき)に達すれば人生の絶景が堪能できる仕掛けだった。

 松たか子は過酷な運命の先回りをして、悲運を招く悪役たちを殴りはね退け、ポジティブにストーリーを修正しながら物語を牽引する。まるでキリストの絶対愛に包まれるような大団円にはため息をついた。溢れる涙がワイパーとなって人生の絶景はいよいよクリアになった。

週刊朝日  2019年12月27日号


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延江浩

延江浩(のぶえ・ひろし)/1958年、東京都生まれ。慶大卒。TFM「村上RADIO」ゼネラルプロデューサー。国文学研究資料館・文化庁共催「ないじぇる芸術共創ラボ」委員。小説現代新人賞、ABU(アジア太平洋放送連合)賞ドキュメンタリー部門グランプリ、日本放送文化大賞グランプリ、ギャラクシー大賞など受賞

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