実家の仏壇(写真左)をリメイクした仏壇(同右)=新川崎雲山堂提供
実家の仏壇(写真左)をリメイクした仏壇(同右)=新川崎雲山堂提供
仏壇の合同供養の様子=新川崎雲山堂提供
仏壇の合同供養の様子=新川崎雲山堂提供
(写真上から時計回りに)ミニ仏壇、インブルームス社が販売する、遺骨や遺髪をペンダントトップに納めるジュエリー、高さ9センチほどのミニ骨つぼ=同社提供
(写真上から時計回りに)ミニ仏壇、インブルームス社が販売する、遺骨や遺髪をペンダントトップに納めるジュエリー、高さ9センチほどのミニ骨つぼ=同社提供
仏壇を処分するときの選択肢 (週刊朝日2019年12月27日号より)
仏壇を処分するときの選択肢 (週刊朝日2019年12月27日号より)

「仏壇じまい」なる言葉をご存じだろうか。実家の両親が亡くなったあと、仏壇の扱いに悩む人が多いのだろう。ネットでは処分業者がひしめき、墓を整理する「墓じまい」とともに需要が急増しているのだ。自分の気持ちに沿う人生の終わりを迎えるために、仏壇について一度考えてみよう。

【その他の写真】仏壇の合同供養の様子やおしゃれなミニ仏壇、骨を納めるジュエリーなども

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 埼玉県に住む広瀬和子さん(73)は、ため息をつく。

「きちんと供養するべきだったのでしょうね。でも、そんな余裕もなかったんです」

 数年前、ケアハウス(軽費老人ホーム)に入居していた父親が体調を崩し、広瀬さんの自宅に同居することになった。父親の世話をしながら、ケアハウスにある大量の荷物を整理した。2千冊以上の書籍や膨大な量のアルバムや日記、手帳。趣味の楽器や手品の道具に埋め尽くされた部屋の中央には、大きな仏壇もあった。

「申し訳ないと思いながらも、業者に清掃と一緒に仏壇の処分も頼むしかありませんでした」

「仏壇じまい」の方法はさまざまだ。

 単純に処分だけを考えるのならば、粗大ごみとして出す方法もある。

 東京都の粗大ごみ受付センターのホームページの箱物家具の品目には、仏壇も含まれている。費用は、高さと幅の合計が135センチ以下ならば、400円とかなり抑えられる。自力での処分が難しい場合は、前出の広瀬さんのように、清掃業者や遺品整理業者に依頼する方法もある。

 ネット上では、格安での「仏壇処分」をうたう業者の宣伝コピーが飛びかう。

<仏壇処分サービス 10000円/お仏壇の同時注文で50%OFF>

<仏壇処分ネット>

 オークションサイトでは、仏壇供養と引き取り処分がセットになった2万5千円の商品が出品されている。

 国内や海外向けのオークションサイトやフリマアプリを使って、黒檀(こくだん)製の高級仏壇や仏具、神棚を売る個人出品者も少なくない。

「粗大ごみとして捨てたり転売したりする前に、できれば、きちんと供養してから処分をしてほしいですね」

 そう話すのは、宗派を超えた伝統仏教の連合組織である全日本仏教会の広報文化部で、住職でもある奈良慈徹さんだ。

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