事件が起きた小川和男さん宅(C)朝日新聞社
事件が起きた小川和男さん宅(C)朝日新聞社

「物音がした後、男が逃げていくのを見た。泥棒が入ったようだ」

 未明の110番通報はまさに被害に遭った男性からだった。

 14日、東京・青梅市の住宅で、この家に1人で住む無職の小川和男さん(67)が、死亡しているのが見つかった。警視庁によると午前1時55分に小川さん自身からの通報を受け、およそ15分後に青梅署員が駆け付けると、頭から血を流した状態で小川さんが倒れていたという。

 小川さんは搬送先の病院で死亡が確認された。警視庁捜査1課は小川さんが何者かに殺害されたとみて青梅署に捜査本部を設置し殺人事件として捜査を始めた。

 警視庁によると、玄関ドア脇のガラス部分が割られていたという。小川さんは同居していた母親が亡くなり、約10年前から1人暮らしだった。事件当時は別の部屋で就寝中だったとみられていて、物音で目を覚ました可能性があるという。また通報の際には「泥棒」とした男の特徴を中年の小太りで白色の帽子とマスク、青色のジャンパー姿と説明していた。

 事件との関連は不明だが小川さんの「ある行動」が事件の発生前から目立っていたという。

「出歩くときはいつも大きなアタッシェケースを持っていて、会った人に中に入っている大量の札束を見せていたらしい。過去にキャバレーを何店舗も経営していて儲けた金とも親しい知人などに語っていたようだ」(捜査関係者)

 捜査関係者によると、小川さんの通報直後の時間帯に現場付近の防犯カメラにセダンタイプの白い車が猛スピードで走り去る様子が映っていたという。

「金目当ての強殺とみている。過去に類似事件があったように、小川さんが資産家との情報がいわゆる闇のネットワーク内で流布されていて、それを知った輩が金品を奪おうとした犯行だろう。捜査3課も加わり前歴者リストも洗い出している」(捜査関係者)

 警視庁では、走り去る白い車のナンバーを照会、一方で車が映ったカメラ映像をつなぎ合わせて所在を突き止める「リレー方式」による捜査を進めている。(野田太郎)

※週刊朝日オンライン限定記事