その思いの裏には、今年4月30日に終わった平成の不安感を払拭したいという気持ちがあると宮木さんは指摘する。

「バブル崩壊(1991年)、リーマンショック(2008年)、さらに災害であれば阪神・淡路大震災(1995年)、東日本大震災(2011年)と、平成は非常に不安感の強い時代でした。多様性や包摂性が声高に叫ばれ、自分で人生を選べるようになった分、自己責任や不安感が強まりました。令和は、そこをリニューアルしたい、心機一転していい時代にしたいという思いがすごく強い時代なのではないか、と思います」(宮木さん)

 芸能やスポーツの話題も漢字選びに反映された。「嵐」には、年始にアイドルグループの「嵐」が2020年末をもって活動を休止すると発表したことへの衝撃も込められたり、「風」では、ラグビーワールドカップや「しぶこ」ことゴルフの渋谷日向子の旋風が挙げられたりした。

 来年はついにオリンピックイヤー。平和の祭典は、どんな字をもたらすだろうか。

(本誌・緒方麦)

※週刊朝日オンライン限定記事