チャート1 相続人は誰か (週刊朝日2019年12月20日号より)
チャート1 相続人は誰か (週刊朝日2019年12月20日号より)
チャート2 相続財産はどれくらいか (週刊朝日2019年12月20日号より)
チャート2 相続財産はどれくらいか (週刊朝日2019年12月20日号より)
チャート3 相続税はかかるか (週刊朝日2019年12月20日号より)
チャート3 相続税はかかるか (週刊朝日2019年12月20日号より)
チャート4 わが家の相続に揉めそうなリスクはあるか (週刊朝日2019年12月20日号より)
チャート4 わが家の相続に揉めそうなリスクはあるか (週刊朝日2019年12月20日号より)

 遺言や生前贈与と言われても、「まだそんな年じゃないのに」と思う人は多いだろう。しかし、相続の準備は、元気なうちにしかできない。家族が集まる年末年始、簡単な書き込み式チャートで相続について考えてみよう。ライター・森田聡子氏が専門家に取材した。

【チャートの続きはこちら】

 相続の専門家が口をそろえるのは、“争続”は財産の多寡に関係なく、どんな家庭にでも起こり得るということだ。「うちの家族は仲がいいから大丈夫」と思っていても、お金が絡むと理性的な判断や周囲への配慮ができなくなる人もいる。

 不毛な争いを避けるには、財産を渡す側が主導権を握り、ある程度、相続のプランを立てておきたい。そのためには、早いうちから“わが家の相続”の全体像を把握し、揉めそうなリスクを踏まえたうえで、対策を講じる必要がある。

 その際に役立ててほしいのが、本特集の書き込み式チャートだ。

 まず、チャート1で「法定相続人(民法で定められた相続人)」になり得る親族を確認。チャート2で相続財産の概算額を算出する。チャート1の相続人の数とチャート2の概算額から、現時点で相続税がかかるか、かからないかもわかる(チャート3)。

 以下、順番にチャートを見ていこう。

 チャート1の法定相続人で、最優先されるのは戸籍上の配偶者だ。相続が発生したときに配偶者がいれば、必ず相続人になる。配偶者以外は、順位が高いほうから相続人が決まる。第1順位の子どもがいない場合は第2順位の親、親が両方ともいなければ同じく第2順位の祖父母、さらに第1順位も第2順位も該当者がいないケースでは、第3順位の兄弟姉妹が相続人となる。

 第1順位の子どもと第3順位の兄弟姉妹については、本人が死亡していたら代わりにその子ども(被相続人から見れば孫や甥姪)が相続する。これを「代襲相続」という。

 最初にチャート1を参考に、自分の相続人が誰になるかを確認しよう。同時に、相続人の合計人数も把握しておく。例えば、相続人が妻と第1順位の子どもが2人であれば、相続人は3人ということになる。

 法定相続人の該当者がいなければ、一定の手続きを経たうえで財産は故人の特別縁故者(内縁関係の相手など)に分けられ、残りは国庫に納められる。

 チャート2では、自分名義の財産の“棚卸し”をする。金額はあくまで目安なので、定期預金や債券は預け入れ時の金額で、株式や投資信託などは直近の取引報告書に記載された時価で構わない。

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