「サブタイプは一人に一つ当てはまるわけではなく、いくつか重なっていることがほとんど。その場合、当てはまるサブタイプのすべてに対応していくことになります」(今野医師)

 オーダーメイド治療であるリコード法。今のところ、保険診療ではなく自由診療となる。白澤医師や今野医師のいるクリニックには、他の医療機関でアルツハイマー病と診断されて薬物治療中の患者も治療を受けに来ているそうだ。

 このリコード法の考えをアルツハイマー病の予防に生かすことも可能だ。画像検査や血液検査など、リコード法で必要となる検査を省略した、ざっくりしたものではあるが、試してみる価値はあるだろう。

 白澤医師が私たちにできるアルツハイマー病予防として勧めるのは、グルテンフリーの生活だ。グルテンは小麦などに含まれているたんぱく質だ。

「実は、治療に来られる患者さんの多くに、検査でグルテンに対する抗体が見つかります。アレルギーを起こしているということです。花粉症などと違い、症状に気づかない人も少なくないのですが、グルテンに対して抗体がある人がグルテンフリーの生活をするようになると、“今まで頭に霧がかかっていた感じだったが、その霧が晴れた気がする”と言われますね」(白澤医師)

 グルテンフリーを実践するのはむずかしいと思う人もいるだろう。

「まずは、小麦を使わない生活を心がけてください。朝はココナツオイル入りのコーヒー、昼は卵とスープにします。主食を摂りたいときは玄米や雑穀米にしましょう。夜は付き合いなどもあるので、食べたいものを選んでOK。ワンランク上を目指すなら、必ず食材の原材料をチェックして、小麦が入っていないものを選んで」(同)

 うどん、食パン、パスタが大好きという人は要注意。今すぐ食生活の見直しを。パンやパスタのなかには小麦が使われていないものもあるので、食べたいときは代用するとよいだろう。白米もグルテンフリーだが、次に紹介する理由からあまりお勧めできない。その理由はインスリン抵抗性。

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