春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県生まれ。落語家。2001年、日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。新刊書籍『春風亭一之輔のおもしろ落語入門 おかわり!』(小学館)が絶賛発売中!
春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県生まれ。落語家。2001年、日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。新刊書籍『春風亭一之輔のおもしろ落語入門 おかわり!』(小学館)が絶賛発売中!
イラスト/もりいくすお
イラスト/もりいくすお

 落語家・春風亭一之輔氏が週刊朝日で連載中のコラム「ああ、それ私よく知ってます。」。今週のお題は「」。

【画像】一之輔氏が“ニャン魚”に!?

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 この時期は毎年、週刊朝日は一号まるまる猫特集。売れるんだって。なら、毎週「猫特集」にすれば良いのだが、そこまで無節操ではないが、年一くらいはやりたい週刊朝日。暮れはいろいろ物入りだ。猫特集をやれば安心して年が越せる、が買えるというもの。

 ここ何年か「猫」について書いてきたが、子供の頃、塀の上にいた猫に石を投げたら逆にフライングボディーアタックされたはなしや、家内の実家の飼い猫にやたらと嫌われていたはなしなど……どうもパッとしない。私も週刊朝日に貢献したい。こんなことなら今年の早いうちに猫カフェに行ったり、路地裏の野良猫を写真に収めたりすれば良かった。何かないか、猫。

 ……そうだ。最近、娘(9)が『ニャン魚』にハマっている。イオンに売っていた上半身が猫で下半身が魚のぬいぐるみ。『ニャン魚』が正式名称なのか、娘が勝手につけた愛称なのかは不明だ。娘の『ニャン魚』は目が点々の黒目がちでシンプルな顔立ち、下半身は青い魚だが、『ニャン魚』で検索するとそれとはまるで違う『ニャン魚』が山ほど出てくる。

 制作した会社が違っても名前はなぜか『ニャン魚』。『ニャン魚』のイラストも多数。たいていは可愛らしいが、なかには劇画タッチの『リアルニャン魚』もいる。浜辺で出くわしたくない御面相だ。胸に貝殻のビキニブラを着けた『ニャン魚』も。猫のおっぱいの位置と乳首の数は人間と違うんじゃないか? 自分の飼い猫の下半身に軍手をかぶせて、ひとこと『ニャン魚!』と添えただけの雑な画像も見つけた。

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春風亭一之輔

春風亭一之輔

春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/落語家。1978年、千葉県生まれ。得意ネタは初天神、粗忽の釘、笠碁、欠伸指南など。趣味は程をわきまえた飲酒、映画・芝居鑑賞、徒歩による散策、喫茶店めぐり、洗濯。この連載をまとめたエッセー集『いちのすけのまくら』『まくらが来りて笛を吹く』『まくらの森の満開の下』(朝日新聞出版)が絶賛発売中。ぜひ!

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