前出のメジャー球団のスカウトは、こう分析する。

「山口は先発より救援で需要があると思う。イメージはダイヤモンドバックスの平野佳寿に近い」

 オリックスで守護神として活躍していた平野は、17年オフに海外FA権を行使してダイヤモンドバックスに入団。移籍1年目からセットアッパーとして活躍し、26試合連続無失点の好投を見せるなど、リーグ3位の32ホールドをマークした。落差の鋭いフォークと回またぎや連投をいとわないタフネスさが武器で、山口もこの点で共通している。

 能力の高さを考えれば、海の向こうでも活躍する可能性は十分にある。ただ、不安要素として指摘されるのが精神面の弱さだ。先発の軸として侍ジャパンに選出された国・地域別対抗戦「プレミア12」では、決勝の韓国戦で初回に2本のアーチを浴びて1回3失点KO。大舞台で結果を残せなかったことで、大リーグでの活躍に懐疑的な見方も少なくない。

 新たな環境で結果を残せるか。山口のパフォーマンスが注目される。(梅宮昌宗)

週刊朝日  2019年12月13日号