ベストドレッサー賞の授賞式=撮影・掛祥葉子(写真部)
ベストドレッサー賞の授賞式=撮影・掛祥葉子(写真部)

 第48回ベストドレッサー賞の授賞式が11月27日、東京都内で行われた。装いと生き方で独自のスタイルを貫き、人々を魅了した各分野の個性派の著名人8人は、スタイリッシュな衣装に身を包み、晴れ舞台に立った喜びと今後の決意を語った。

 注目の芸能部門からは、女優・モデルの杏さんと俳優のムロツヨシさんが選ばれた。

 杏さんは3児の母となり、4年ぶりにドラマに復帰した。子育てに配慮して早朝や深夜の撮影を行わない「時短撮影」で、仕事と育児の両立を果たした。

「ドラマの撮影中も、朝夕は家族と食事できた。撮影現場の皆さんの努力と工夫があってこそできたこと。悩みながら社会復帰する人も多いが、助け合って、みんなで子供を育てていける世の中になればと思う」

 また、主演と演出を務める舞台『muro式』が10周年を迎えたほか、ドラマやCMに引っ張りだこのムロツヨシさんは、

「11年間一緒にやっているスタイリストがいて、ベストドレッサー賞を取ったとき、スタイリストに『やりましたね』と声をかけたほどだ」

 と笑う。そして、こう抱負を語った。

「2020年は、ベストドレッサー賞をもらったはずではない、新しいムロツヨシ、違うムロツヨシ、変なムロツヨシを送り届けたい」

 政治部門の受賞者、参議院自民党幹事長の世耕弘成さんは、スリーピースと赤のネクタイというおなじみの装いで登壇した。

「ぜひとももらいたかった賞で、とてもうれしい」

 経済産業相に就任した16年から、夏でもスリーピースを愛用しているのは、

「体格のいい外国の要人たちと握手して写真に写るので、スリーピースを着ると小柄でも貫禄負けしない、と知人から勧められた」

からだ。

「政治家は総理になるのをあきらめた瞬間から堕落が始まる」

 と大先輩から助言された。第42回のベストドレッサー受賞者で、尊敬の念を抱いている安倍晋三首相の背中を追う。政界で完全燃焼した後は、

「英・ケンブリッジ大学のような、教養を身に付けられる学校づくりに情熱を傾けたい」

 と言う。

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