事件現場(提供)
事件現場(提供)

 兵庫県尼崎市神田南通1丁目の路上で、27日午後5時8分、すさまじい発砲音が鳴り響いた。

 機関銃とみられる銃で10発ほど撃たれた男性が救急搬送されたが、死亡が確認された。

 亡くなったのは、神戸山口組の幹部で傘下組織「三代目古川組」の古川恵一総裁(59)。現場を見た人はこう言う。

「バンバンと音がして、車が急発進していった。イレズミの男性が、倒れてすごい血が流れていた」

 捜査関係者がこう話す。
「犯人は複数いたようで、古川組長は約10発、撃たれ即死のようだ」(捜査関係者)

 現場からは男2人組が車で逃走していたが、同日午後、京都府内で1人の身柄が確保された。

「京都南インターチェンジ出口付近で不審な車を見つけて、職務質問。すると拳銃を出そうとして揉み合いになり緊急逮捕。容疑は銃刀法違反と
公務執行妨害だ」(捜査関係者)

 逃走した車から銃も発見されたという。

 10月10日には神戸市で六代目山口組のヒットマン、丸山俊夫被告が神戸山口組の中核、山健組の組員2人を射殺した事件があったばかり。そして同月18日には、服役していた六代目山口組のナンバー2、高山清司若頭が出所。
六代目山口組の幹部が人事異動するなど、指導力を発揮していた。

「高山若頭は『原点に立ち返れ』『やるときはやらねば』というメッセージを、出所後に発していた。六代目山口組の関係者が関与した可能性が高いと見ている。さらに抗争が激化しそうだ」(捜査関係者)

 10月の丸山被告の犯行後、六代目山口組や神戸山口組の本部は使用制限を命令が出され、より取り締まりが強化される中での犯行だった。

 元山口組顧問弁護士の山之内幸夫氏は、こう話す。

「丸山被告の犯行は偶発的なところもあった。だが、今回は何者かが神戸山口組の幹部を狙って、ヒットマンを送り込んでいる。高山若頭が出所したことで、抗争は収束すると思っていたのだが…」
 神戸戦争の行方は今後、どうなるのだろうか。
(本誌取材班)

※週刊朝日オンライン限定記事