「主役のアスリートはもちろん、指導者、スタッフなど、すべての日本選手団がいきいきと自分の夢に挑戦できる環境を整える」(福井氏)ことで、オールジャパンのチームワークを盛り上げていくつもりだ。

 日本で開催されたラグビーのワールドカップ(W杯)で日本代表は初のベスト8の躍進を見せ、野球の国・地域別対抗戦「プレミア12」でも侍ジャパンが初優勝を飾った。福井氏は、

「ラグビー、野球、その他いろんなスポーツで日本国民に感動と活力を届けている。オリンピックからも、スポーツが持っている力を発信し、良い形でパラリンピックへとつなげたい」

 と述べた。

 一方、尾県氏は筑波大学時代に陸上の10種競技の選手として活躍。日本陸上競技連盟の専務理事を務めるほか、JOCでは常務理事、選手強化部長などを歴任した。金メダルの目標については、

「JOCが掲げる30個は守りたい。この2年間の世界選手権などの成績をみると、確かに30個の目標は厳しい数字だが、自国開催の有利を生かし、(期待の大きさから選手にプレッシャーがかかるという)不利を取り除いていけば、達成できる数字と思っている」

 と話す。

 具体的には、過去2年間の世界選手権などの日本選手団の成績は金メダル17個、銀メダル27個。尾縣氏は、

「もう少しで金メダルに届くという銀メダルを、いかに金メダルに変えていけるかが大きなテーマで、これが達成できると、金メダル30個は遠くない目標だ」

 と話す。すでに、目標達成へ向けた課題を探り、JOCによる必要な支援を行うため、各競技団体に対するヒアリングを進めている。(本誌・小島清利)

※週刊朝日オンライン限定記事