Aさんの話には続きがあった。

「元職員が実質的にはクビになった後、招待状は回ってこないと思っていた。それが2年前、1枚5万円で招待状を売るので行かないかと自民党支援者から誘われた。私は行かなかったが、その人の声掛けで2~3人が行ったそうです」

「桜を見る会」の支出は前述のとおり、安倍首相の返り咲きから額が跳ね上がり、招待客もかなり増えているという。自民党のベテラン議員がこう言う。

「昔は国会議員でも招待状を確保するのが難しかったが、最近は安倍首相だけじゃなく、自民党の議員が地元支援者を数多く招待できるようになった。ここ数年は割り当てが国会議員1人につき5枚とされ、とりやすくなった」

(本誌・亀井洋志、上田耕司、吉崎洋夫/今西憲之)

週刊朝日  2019年11月29日号

著者プロフィールを見る
吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

吉崎洋夫の記事一覧はこちら
著者プロフィールを見る
今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

今西憲之の記事一覧はこちら
著者プロフィールを見る
上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

上田耕司の記事一覧はこちら