すし処 佐藤 握り寿司/カウンター前のネタケースに美しく並んだ魚種の多さに心躍る寿司店。生け簀で車エビが泳ぎ、貝の種類の多さにも驚かされる。なかでも自慢は豊洲のマグロ卸から仕入れる極上の本マグロ。真鯛やクエと一緒に盛られた写真のマグロは、増田惠子さんおすすめの「背かみ」。頭の後ろの部位で赤身のうまさが堪能できる。好きなネタが1貫から楽しめる気軽さも嬉しい。予算1万2000円~ (撮影/写真部・片山菜緒子)
すし処 佐藤 握り寿司/カウンター前のネタケースに美しく並んだ魚種の多さに心躍る寿司店。生け簀で車エビが泳ぎ、貝の種類の多さにも驚かされる。なかでも自慢は豊洲のマグロ卸から仕入れる極上の本マグロ。真鯛やクエと一緒に盛られた写真のマグロは、増田惠子さんおすすめの「背かみ」。頭の後ろの部位で赤身のうまさが堪能できる。好きなネタが1貫から楽しめる気軽さも嬉しい。予算1万2000円~ (撮影/写真部・片山菜緒子)
すし処 佐藤/東京都目黒区下目黒3-5-1 梶浦ビル2F(営)18:00~23:00閉店(休)月 (撮影/写真部・片山菜緒子)
すし処 佐藤/東京都目黒区下目黒3-5-1 梶浦ビル2F(営)18:00~23:00閉店(休)月 (撮影/写真部・片山菜緒子)

 著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回は、歌手・増田惠子さんの「すし処 佐藤」の「握り寿司」だ。

【写真】「すし処 佐藤」の内観はこちら

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 2005年にピンク・レディーの育ての親、相馬一比古さんが亡くなられた時は、体がもぎとられたような喪失感がありました。そんななか、奥様のお誘いを受けて主人と伺ったのがこちらのお店。生前、相馬さんの行きつけだったお寿司屋さんです。とにかくネタが豊富で新鮮なのに驚いて。時々出かけるようになりました。

 これは主人に影響されたのですが、刺し身はつままず、いきなり握りからスタート。私の好みを知っている大将におまかせして、次々握っていただきます。キュッとすだちを搾った白身魚を塩でさっぱり食べるのも好き。でも何といってもマグロの首の部分の赤身が絶品! 最初は握りで、最後は鉄火巻きで二度いただきます。こちらは酢飯が小さめで口に入れるとほろっとやわらかだから、ついつい食べすぎちゃう。いままで最高26貫も食べました(笑)。カウンターに座ると相馬さんがいまだに見守ってくれているような気がして──頑張ろう!って気分になれる、そんなお店ですね。(取材・文/沖村かなみ)

「すし処 佐藤」東京都目黒区下目黒3-5-1 梶浦ビル2F/営業時間:18:00~23:00閉店/定休日:月曜

週刊朝日  2019年11月22日号