そうやって日常と非日常を行き来しながら、意外にも、自分が俳優である自覚はないという。多少の照れもあるのかもしれないが、「頑張って役者として生きなくちゃ、とか。全然ない、そんなもの」と、江戸っ子口調で切り捨てた。

「いつ、ステージから降りても構わないんです。でも、どうせ立つからには、ちゃんと感情を表現できる役者でいたい。地味でも、どんな隅にいても存在感があるような。職人タイプの役者になりたいとは思いますね」

(菊地陽子、構成/長沢明)

THIS WEEK
10月29日(火)~31日(木)
10月上旬から、KAAT神奈川芸術劇場まで舞台稽古に通う。
11月1日(金)
稽古は15時スタートなので、午前中は近所の神田明神界隈を散歩。散歩は大好きで、時間がある時は、東大まで足を延ばすことも。
11月2日(土)~3日(日)
稽古後の食事はなるべく自宅で済ませる。「家で、ボーッと足を伸ばして、何でもない家庭料理をいただくほうが好き」
11月4日(月)
とりだめしてあるBS日テレの旅番組「小さな村の物語 イタリア」を見るのが癒やし。「イタリアの田舎の、普通に暮らしている人たちにスポットを当てていて、それがすごくいい。食べて笑ってというありふれた日常が、いかに贅沢か。あれを見るとほっとします」

週刊朝日  2019年11月14日号