そのADHDと依存症は結びついていることが多いんです。ADHD患者の中で依存も併存している人は約15%とするデータもあります。衝動性が依存につながるわけです。薬物などをやりたいという衝動を抑えられないのです。

 また、ADHDの人は経済観念が甘いということもよくある傾向です。ネット通販でどんどん注文してしまう買い物依存は、買わずにはいられないという衝動とこの傾向が合わさったケースが多く見られます。

 依存に陥らないためには、衝動性のコントロールが必要になります。ADHDを改善するには投薬が最も効果的です。投薬に抵抗がある人には、医療機関によるグループ療法もあります。認知行動療法を用いて、何に困っているか、どういう対策をするかなどテーマを決めて話し合います。

 ADHDの人はまだ世間の理解が得られにくく、症状について話せる仲間がいない。孤独に悩んでいる方が多いのです。他の当事者の意見を聞くことで、自分の問題をより実感し、障害をよく知ることが治療や予防の第一歩。ADHDを改善すれば、依存もかなり改善されます。気になったら受診するのがベターです。

週刊朝日  2019年11月22日号