この仲間内だけでやってる感じ。みんなは気持ち悪くないのだろうか? 仲間内だけでやってる感じではなく、もうほんとうに仲間内だけでやっている。受験生の立場に立った? そう考えているなら、民間検定試験なんて案は出てこない。

 この制度は共通テストの採点に、民間試験の2回分が採用される。裕福な家の子は何度も受けられ、地方の離島などに住んでいる子は不利になる。萩生田大臣がテレビに出て、そのことを指摘されると「身の丈に合わせて勝負してもらえば」と正直にいってしまった。人には生まれによってランクがある、て文科相がいったんだ。そういう考え方は、お仲間主義のなせる業だろう。

 そうそう、文科省の会議には民間業者が入ってたってね(非公開)。彼らもお仲間? お仲間どうし、一般の我々を犠牲にして、美味(おい)しい思いしようとひそひそ話したのかしら?

週刊朝日  2019年11月22日号

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室井佑月

室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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