加害側教諭4人の給与停止を決めた神戸市教委の臨時会議(C)朝日新聞社
加害側教諭4人の給与停止を決めた神戸市教委の臨時会議(C)朝日新聞社

 神戸市立東須磨小学校の教員間暴力・暴言問題で、加害側の4教諭のうち30代男性の代理人弁護士が11月9日、会見し、激辛カレーを無理やり食べさせるなど、悪質性の高い行為には関わっていないと主張。懲戒処分前に給与の支給を止めた市教育委員会の処分は「不当だ」と訴えた。

 弁護士が提出した審査請求書などによれば、今回、出された分限休職処分は条例を急きょ、改正。過去にさかのぼって、適用されたもので地方公務員法に反するものだと述べている。また、条例が改正された経緯にも触れ、<加害教諭4人を狙い撃ちにした条例><恣意的な運用であり(中略)公正の原則に違反><弁明の機会を与えられていない>などと訴えている。

 確かに、弁護士らでつくる職員分限懲戒審査会でも改正された条例を、即座に加害教諭に適用することについて「不相当」との判断を示していた。また別の加害教諭も申し立てを検討中だという。それを押し切る形で、適用されたことに、A教諭が異を唱えたのだ。

  一方でA教諭はイジメの事実は認めているという。市教委の関係者はこう話す。

「アホ、ボケなどと暴言をはいたり、被害教諭の後方から、暴行を加えたこと、被害教諭が激辛ラーメンを食べることを強要されている現場にいたことなどは、認めている。市教委があげた、数十例のイジメや動画で知られるところとなった、激辛カレーの強要や車の上に上った時の現場にはいなかった。ニュースで知ったイジメもあり、関与したのは、4回ほどと主張している。要するに、関与したイジメの回数は少ないので、たくさんイジメをやった加害教諭と一緒に処分にするのは、問題ではないかという主張ですね」

 加害教諭らを知る東須磨小関係者はこう話す。

「A教諭に触発されて加害教諭らが結束して市教委を訴えるんじゃないかと噂になっている。ある加害教諭は『市教委の対応が悪くて、マスコミに報じられた自分たちだけが悪くされている』と不満げに話しているそうです」

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無責任な対応に怒る保護者