田原総一朗「閣僚の愚行でガタガタの安倍内閣が続く情けない理由」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「閣僚の愚行でガタガタの安倍内閣が続く情けない理由」

連載「ギロン堂」

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田原総一朗週刊朝日#田原総一朗
田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数 (c)朝日新聞社

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数 (c)朝日新聞社

イラスト/ウノ・カマキリ

イラスト/ウノ・カマキリ

 だから、国民の多くはアベノミクスに満足しているのではなく、どの野党からも対案が示されないので、やむなく我慢しているのである。

 どの野党も、政権を運営する具体策を示していない。だから、安倍内閣は少なからぬ問題を噴出させながら、7年間も続いているのであり、そのために、自民党の議員たちが緊張感を失っているのである。

 さらに問題は自民党自体にもある。

 かつて、自民党の首相が辞任するのは、野党との闘いに敗れたためではなかった。自民党には反主流派、非主流派などがあり、党内での論争に敗れて交代したのである。岸信介、田中角栄、福田赳夫、大平正芳、宮沢喜一らである。その意味では、自民党は自由で民主的な政党であり、自由に論争ができたのである。

 だが、選挙制度が小選挙区制に変わって、事情は大きく変わった。

 小選挙区制では、一つの選挙区で党から1人しか立候補できない。そして、立候補するには党から公認されなければならない。そのために、候補者は党の執行部に気に入られなければならず、いってみれば安倍首相のイエスマンにならざるをえない。安倍首相は、野党にも、党内の誰にも気を使う必要がないことになる。

 安倍内閣の閣僚たちがこれほどガタガタになっていて、かつてならば、党内で「次は自分だ」と名乗り出る人間が必ずいたのだが、それが誰もいない。情けないかぎりである。

週刊朝日  2019年11月22日号


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田原総一朗

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

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