広島の佐々岡真司新監督(左)と明大の森下暢仁投手(C)朝日新聞社
広島の佐々岡真司新監督(左)と明大の森下暢仁投手(C)朝日新聞社
ウォーミングアップを見守る広島の佐々岡真司新監督 (c)朝日新聞社
ウォーミングアップを見守る広島の佐々岡真司新監督 (c)朝日新聞社

 今オフに就任した広島・佐々岡真司新監督の評価が急上昇している。

【ファンが選んだ平成で最もカッコいいバッティングフォームはこの選手!】

 広島のテレビ関係者は声を弾ませて分析した。

「今オフに野村祐輔、会沢翼、長野久義とフリーエージェント(FA)権を持っている選手を全員残留させた功績が大きいです。野村、会沢は他球団に流出も覚悟していたファンは少なくありませんでした。佐々岡監督が直接電話して誠意を伝えたのが大きかった。この3人の残留は新戦力の補強より大きな収穫です」

 昨オフに2016~18年のリーグ3連覇に大きく貢献した丸佳浩がFAで宿敵・巨人に移籍。シーズン前は広島を優勝候補に挙げる声も少なくなかったが、リーグ4連覇どころかクライマックスシリーズ(CS)進出も逃して4位に低迷。丸を獲得した巨人が5年ぶりのリーグ優勝を飾った。

 今年は先発ローテーションで長年チームを支えてきた野村、正捕手の会沢が国内FA権を取得。昨オフに巨人から丸の人的補償で移籍し、シーズン終盤に主軸として輝いた長野も国内FA権を持っていることから、主力流出による大幅な戦力ダウンが懸念された。

 だが、ふたを開けてみれば、残留を熱望した佐々岡監督の思いが実った形となり、広島ファンから喜びの声が出た。

「丸の悪夢で今年もFAで他球団に引き抜かれるかと思ったけど、野村、会沢、長野が残ってくれたのはうれしい。緒方(孝市)前監督から佐々岡監督に変わってどうなるか不安だったけど、チームが明るくなった感じがする」

「FA権を持っていた選手たちが残留したのは、コミュニケーションを重視する佐々岡監督の存在が大きかったと思う。グラウンドでの戦いはまだ始まっていないけど、佐々岡監督は大仕事をしたと思う」

 ただ、今オフに動向が注目される選手がもう1人いる。球界を代表する二塁手・菊池涼介だ。球団は11月1日、菊池が今季取得した国内FA権を行使しないことを発表したが、8日に来季からの大リーグ移籍を容認すると明かした。今オフにポスティングシステム(入札制度)を利用する。

 本人が改めて希望したという。だが、大リーグ移籍がかなわなかったら、広島残留となる。その場合、来季は万全の布陣で戦える。他球団の選手のFA争奪戦に参加していない広島だが、王座奪回に向けて戦力は着実に整えている。(牧忠則)

※週刊朝日オンライン限定記事