最後に、年齢を重ねてよかったことを聞くと、「人との“エネルギーのキャッチボール”が、うまくなった気がします」と答えた。

「40歳ぐらいになると、自分のことを考えるより、相手のことを思う時間が増えてくる。もちろん自分のことは今でも考えていますけど、お芝居でも、『この人がこういう表情ができるのはよかったな』とか、自分以外の人のことで、喜びを感じられることが増えたんです。生きるって、人とエネルギーのやりとりをすることだと思うんだけど、若い頃は、そのやりとりも自意識が邪魔してうまくいかなかった。年齢を重ねて、お芝居の上でも、日常でも、エネルギーのキャッチボールが、前よりうまくやれるようになったんじゃないかな。少しずつですがね」

(菊地陽子、構成/長沢明)

■THIS WEEK
9月29日(日)
KAAT神奈川芸術劇場でミュージカル「怪人と探偵」の千秋楽。「毎日酒は必ず飲んでいます」
9月30日(月)
テレビ番組のロケのために、地方へ、廃線となった場所を訪ねる。
10月1日(火)~2日(水)
東京で仕事。夜は、妻と近所の店で晩酌。
10月3日(木)~6日(日)
「怪人と探偵」兵庫公演。5日の土曜日は、1日2回公演だったが、公演後に知り合いの経営するお好み焼き屋を訪ね、ラグビーの日本対サモア戦を観戦。舞台が千秋楽を迎えた後はドラマ撮影のために名古屋へ移動。「名古屋の中華料理屋さんで、“重油ラーメン”と呼ばれる、重油色のスープのラーメンをつまみに酒を飲むんですよ(笑)」「地方では、それまでに何かしら関わりのあった店に立ち寄ることが多いです」

週刊朝日  2019年11月15日号