4者協議の前に、言葉を交わすIOCのコーツ調整委員長(左)と小池知事=11月1日 (c)朝日新聞社
4者協議の前に、言葉を交わすIOCのコーツ調整委員長(左)と小池知事=11月1日 (c)朝日新聞社

 やはり札幌。10月30日から3日間、東京であった注目の国際オリンピック委員会(IOC)の調整委員会(ジョン・コーツ委員長)は、東京五輪のマラソンと競歩を札幌市開催に決定した。

 マラソンは最終日に男女同時開催する可能性がある。IOCと国、都、大会組織委員会のトップ会談があった11月1日の会見で森喜朗東京五輪・パラリンピック大会組織委員会会長は、「東京都の大英断に心から敬意を表したい。楽しみにしてくれ、尽力してくれた人には申し訳ない」。コーツ委員長は「新たな経費は東京都に求めない。子供たちにドーハのようなシーンが植え付けられてはならない」。小池百合子・都知事は「決定権限はIOCにある。都として札幌開催には同意できないが、IOCの決定は妨げない。あえて申し上げるなら『合意なき決定』」と語った。

 会見の前、森氏は会合の中で「IOCから聞いた時は驚いたが、小池知事に知らせると猛反対される。どうしたものかと思っていた」と語り、蚊帳の外にしたことをほのめかした。それが事実なら小池氏の「完敗」だ。この二人、因縁の仲。小池氏が自民党総裁選に出た時、森氏は麻生太郎氏を推し、知事選に出た時も支持しなかった。

 だが、自民党内では別の見方がある。幹部は言う。

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