本田圭佑が輩出し、名門で知られる石川県の星稜高校サッカー部。11月3日、全国高校サッカー選手権石川県大会決勝で3連覇を狙ったが、延長戦の末に鵬学園に2―1で敗れた。
週刊朝日などの選手への暴行、金銭疑惑報道で10月25日から職務停止となっているサッカー部の総監督兼副校長、河崎護氏の不在も影響したようだ。
試合前に石川県高体連サッカー専門部などから報道陣に対し、「取材について」と書かれた注意事項が配布され、「取材できるのは選手、チームスタッフのみ」「取材内容はサッカーの試合に関することのみ」などが記されていたという。
河崎氏の姿は試合会場になかったが、ピリピリしたムードだった。サッカー部OBはこう話す。
「試合後『サッカーのこと以外は聞くな』と学校関係者が大声で言っていました。恥ずかしいことですよ。普段は試合中でも、河崎氏からひどい暴言を浴びせられて萎縮しながらプレーしている選手たち。結果、負けましたが、昨日はノビノビやっている感じがした」
星稜高校は暴行などの一連の報道を受けて、調査委員会を設置し、調査を始めている。サッカー部部員はこう言う。
「アンケートがまわってきた。週刊朝日の報道にあるように、暴行や暴言があったか、河崎氏の接骨院に行ったことがあるか、などについて回答するような内容でした。みんな正直に回答している。それを学校側がちゃんと読んでくれたら、自然と答えは出るんじゃないでしょうか」
そんな中、本誌の報道を見て、「河崎氏の暴行やパワハラはこれだけじゃない」と打ち明けてくれたのは数年前に星稜高校のサッカー部に在籍したAさんだ。中学から星稜に通い、好成績をおさめて、将来も有望と思われていた。だが、河崎氏によって、大きくサッカー人生が狂ってしまったという。
「2年生の時、僕は髪の左右を刈りこんでモヒカン風にしていました。モヒカンといっても、そうひどいもんじゃなく、校則にも反しないし、風紀の先生からも注意を受けていない。だが、河崎氏から『そんな髪型は許さない』と言われ、叩かれました。サッカー部には、河崎ルールという独自のもんがあって、河崎氏がダメと決めたらダメ。すべて河崎氏の一存で決まる、校則など関係なしです」