事件を受けて、ファンからは同社の作品を見て応援したいという声が上がっていた。これに応えたのが、同社の作品を放送してきたNHKだ。

 オリジナル短編アニメ「バジャのスタジオ」を、11月4日午前8時15分から総合テレビで放送する。地上波では初放送になるという。アニメスタジオの人たちと、そこで育てられているハムスターに似た生き物の「バジャ」をファンタジックに描いた作品。事件で犠牲となった木上益治さんが、「三好一郎」名義で監督したものだ。

「事件以降、京都アニメーションの作品を放送して欲しいという要望がたくさんありました。それに応えるため、このタイミングでの放送になりました」(NHKの広報担当者)

 12月には、NHKワールドプレミアムやNHKワールドJAPANでも放送する。

 また、弓道に打ち込む高校生の青春を描いた「ツルネ ―風舞高校弓道部―」も再放送する。NHK総合で、12月1日午前1時5分から1~7話、2日午前0時40分から8~13話の予定だ(関西地区は放送時間が異なる)。

 アニメは作画や編集、音響などの制作工程があり、多くの人たちが協力することで作られている。「人材が全て」の世界だけに、事件の影響は深刻だ。京都アニメーションの再建にはかなりの時間がかかりそうだが、誓いがかなうように、ファンとしては作品を見て応援したい。(本誌・多田敏男)

※週刊朝日オンライン限定記事