2018年の日本人の平均寿命は女性が87.32歳、男性が81.25歳と、過去最高を更新している。この長寿時代を若々しく、楽しく生きていくためには肌や心のケアにも気をつかいたいもの。老化防止の具体的なメソッドを、美容のプロに聞く。ライフジャーナリスト・赤根千鶴子氏が取材した。
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社会の高齢化と共に「生涯現役」として働き続けたいという高齢者が増えている。いまや60代、70代でも、“爺さん”“婆さん”として隠居して余生を静かに送る時代ではない。
かつて、サムエル・ウルマンは詩にこう書き綴っている。
「青春とは人生のある時期ではなく、心の持ち方をいう」。いまはまさしく、“心は青春”なシニアの時代なのかもしれない。
とはいえ、人間の体というものは、どうしても老化していくもの。ならばその年齢なりのケア方法を身につけて、美しく年を重ねる現役の「美爺(びじい)」「美婆(びばあ)」として生きていこうではないか。くたびれ感満載の「汚爺(おじい)」「汚婆(おばあ)」ではなくて。
「高齢になっても“美爺”“美婆”であるためには、まず肌の保湿に気をつかうことです」
と教えてくれたのは、ビューティサイエンティストの岡部美代治さん(写真)だ。岡部さんは化粧品会社で数多くのヒット化粧品開発に携わり、現在は美容雑誌やファッション雑誌で化粧品のコメンテーターとして活躍している、美容のプロである。
「肌は加齢と共に、水分も油分も減ってきます。男性の場合、50代半ばを過ぎると肌が急に乾燥してきて、カサカサ感に悩まされている方も多いのではないでしょうか」
“男性は年をとっても肌のアブラは減らない”というのは、誤解。
「顔のTゾーン等、皮脂分泌の多い部分もありますが、目のまわりや口のまわり、首といったもともと皮脂腺が少ないところは極端に油分が不足してきます」
そしてうるおいが足りない部分は、シワが深くなりやすい。おそろしいことに肌のカサカサ化、シワシワ化というものは一挙に進んでしまうものなのだ。