尾木:ぼくね、教委はなくてもいいと思っているんです。国家の予算も削減されるし、教育の中身もよくなるという持論なんです。

佐藤:なくしてしまってもいいじゃないですか。

尾木:ここは意見が一致しましたね。ならば代わりに「教育センター」のようにして、先生たちの教育や研究を助ける役割でいいんです。学校の「当たり前」をやめた千代田区立麹町中学校のように独自の改革で構造を変えた学校が出てきたり、子ども主体の学びを重視したイエナプランの学校が発足したりと、意欲的な学校や自治体では、今日日いっぱい変化がある。また、世界の教育改革の大波に乗り、日本でも2020年には大教育改革が本格実施されます。こうすればいいんじゃないかって方向とか、何か一筋の光は見えてきてる。それをいかに実現できるか。

佐藤:しかしやっぱり大正生まれは引っ込んでるしかないですね(笑)。お話聞いてるとそんな気持ちになってきます。

尾木:佐藤さんが黙っちゃったら日本沈没しますよ。怒ってもらわないと困るんです。

(構成/本誌・緒方麦)

週刊朝日  2019年11月8日号