秋冬の寝床は頭 ギャンブル好き直木賞作家と愛鳥のほのぼの暮らし (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

秋冬の寝床は頭 ギャンブル好き直木賞作家と愛鳥のほのぼの暮らし

連載「出たとこ勝負」

このエントリーをはてなブックマークに追加
黒川博行週刊朝日#黒川博行
黒川博行(くろかわ・ひろゆき)/1949年生まれ、大阪府在住。86年に「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞、96年に「カウント・プラン」で日本推理作家協会賞、2014年に『破門』で直木賞。放し飼いにしているオカメインコのマキをこよなく愛する (写真=朝日新聞社)

黒川博行(くろかわ・ひろゆき)/1949年生まれ、大阪府在住。86年に「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞、96年に「カウント・プラン」で日本推理作家協会賞、2014年に『破門』で直木賞。放し飼いにしているオカメインコのマキをこよなく愛する (写真=朝日新聞社)

※写真はイメージです (Getty Images)

※写真はイメージです (Getty Images)

 家に帰ってガレージに車を駐(と)め、玄関のそばへ行くとマキが鳴いているのが聞こえる。足音でわたしが帰ってきたのが分かるのだろう。鍵を挿してドアを開けると、マキは玄関の梁(はり)の上にとまって待っている。

「マキくん、ただいま」

 チュンチュクチュン──。マキが飛んできて肩にとまる。その懐きようは室内犬とそっくりだ。

 ──動物病院へ行った半月後くらいから、マキはいつもと同じように上機嫌になった。餌はよく食べるし、食卓をとことこ歩いて、好物の麺類や卵焼やブロッコリーをつまみ食いする。コーンスープやグリーンピースのスープも飲む。“ピヨコチャン”“マサコチャン”“イクヨ オイデヨ”“マキクン カシコイネ”“ゴハンタベヨカ”“ソラソウヤ”と憶えたセリフを連発し、歌もうたう。

 毎年のことだが、秋になり、肌寒くなったころから、マキの寝床はわたしの頭になった。深更、わたしが布団に入るとマキが飛んできてわたしの頭にとまる。ひとしきり羽づくろいをして、静かになったと思ったら羽根に顔を埋めて眠っている。わたしの頭は巣のような髪があり、暖かいのが快適なのだろう。よく耳の中にフンをされるが、かまわない。なによりマキが元気でいることがいちばんだ。

週刊朝日  2019年11月8日号


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

黒川博行

黒川博行(くろかわ・ひろゆき)/1949年生まれ、大阪府在住。86年に「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞、96年に「カウント・プラン」で日本推理作家協会賞、2014年に『破門』で直木賞。放し飼いにしているオカメインコのマキをこよなく愛する

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい