あとは腰痛で戦列を離れていた巨人の菅野智之が投げた試合でしっかり勝ちにつなげられるか。本調子とは言えないまでも、彼の多彩な投球術がソフトバンクに通用するか。エースの投球はチームを勢いに乗せる要因ともなる。

 日本シリーズが終われば、FA選手の申請期間に入る。西武の秋山翔吾はメジャーに挑戦する意向を持っているという。それにしても、西武は毎年のようにFA選手が外に出てしまう。それだけ他球団に請われるような活躍をしている選手が育っているといえるが、OBとしてはさみしいよね。安定した打撃力、守備力があって故障に強い。そんな中堅手は代えが利かない。

 最後にドラフト会議の話題に触れる。今回は6球団が事前に1位指名選手を公表した。逆に巨人、ソフトバンクなどは「当日の楽しみに」と公表を控えた。ファンの方々にとってはどちらがいいのかな? 以前は公表する球団がほとんどなかった。私が西武の監督をしていた時、松坂大輔のくじ引きとなったが、一つでも重複球団が少なくならないかなと、会議直前まで考えていたのを覚えている。公表するメリットはあまり見当たらないのだけど。

週刊朝日  2019年11月1日号

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東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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