この機会に、使用法や注意点などを前澤さんに聞いてみると、
「斜めにした台の上に、足を平行にしてまっすぐに立つ。これだけでアキレス腱(けん)伸ばしになります。壁を背にして行うと、後ろによろめくことなく安全にできます」
グッズを買うと、元を取ろうとストレッチを始めるきっかけにはなる。でも、なくてもできるなら、その方法を学びたい。
そもそもストレッチとは、
「体を柔らかくする、あるいは筋肉の柔軟性を増してけがを防止するため」
のもの。前澤さんは、こう指摘する。
「大事なのは、自分のペースでゆっくりやること。そして、どこがどう伸びているのかを自覚しながら行うことです」
ヨガは良いようだ。
バランス感覚や、筋力もつき、ストレッチ効果もある。中高年こそ積極的にやるべきだ、と前澤さんは薦める。
「太極拳もしかり。ゆっくりな動きが良いのです」
前澤さんは言う。
「ストレッチと筋トレ、体力、バランス感覚をつけること。この四つが大事です。片足で5~10秒立てるかがポイント。片足で立てなくなると、歩幅が狭くなる。すると、つまずくようになり、けがにもつながります。それを防ぐためにも、(特に腰周りの)筋肉をつけることです。高齢になっても自由に歩き続けられるようにするためにも、ぜひこの四つを続けましょう」
この機会に、ストレッチを積極的に始めてみよう。(本誌・大崎百紀)
※週刊朝日 2019年10月25日号