※写真はイメージです (Getty Images)
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申請期限があるので注意しよう!  (週刊朝日2019年10月25日号より)
申請期限があるので注意しよう!  (週刊朝日2019年10月25日号より)

 自分が旅立ったあと、残された家族に何が残せるか。ファイナンシャルプランナーの森田悦子氏とジャーナリストの田茂井治氏が「死後にもらえるお金」を調査した。

【図表「死後にもらえるお金」】申請期限があるので注意しよう!

「ただでさえ親の死でショックを受けていたところに、莫大な出費が襲ってきたのがつらかった」

 と話すのは2年前に母親を亡くしたカオリさん(45)。

「急な訃報だったので飛行機代は正規料金。家族を連れて田舎に帰るだけで30万円、葬儀関連だけで300万円、その後も、なんやかやとお金が飛んでいって途方にくれました」

 悲しみや葬儀のあわただしさと共に、遺族を襲うのが出費の嵐だ。死後の手続き次第で、家族にお金が支払われる制度はいくつもある。元気なうちから情報収集し、準備しておきたい。

■葬祭費・埋葬料 
葬儀や霊柩車、火葬代…国保や協会けんぽが支給

 近年、家族葬などの浸透で葬祭費は低下しているが、その負担は小さくない。葬祭費や埋葬料を補助する制度がある。公的医療保険の加入者(被保険者)やその家族(被扶養者)が亡くなった場合に、葬儀費用や埋葬料を支給してくれるのだ。

 亡くなった人が国民健康保険か、後期高齢者医療保険の加入者であった場合、「葬祭費」5万円前後が支給される。支給額は自治体によって異なり、東京23区はやや高めで7万円を支給している。

 一方で、会社員などが主に利用している協会けんぽの場合は、「埋葬料」の名目で一律5万円が支給される。また、加入者の扶養家族が亡くなった場合も、「家族埋葬料」として5万円を支給。さらに、加入者に家族がいない場合でも、“埋葬を行った人”に「埋葬費」という名目で実際にかかった費用のうち、5万円の範囲内で支給される。健康保険組合の場合は、さらに上乗せ給付があるところもある。

 このとき認められるのは葬儀代や霊柩車代、僧侶への謝礼、火葬代、霊前供物代などで、葬儀に参列した人の接待費用や香典返しなどは含まれない。

 仮に協会けんぽの資格を喪失していても、受給資格がある場合があることは留意しておきたい。

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