オールコートディフェンスを仕掛けるにあたって、渋谷は頻繁に出場選手を交代させた。控え選手にも攻守ともにスタメンに遜色ないものが求められる。外山さんは関野や田渡のシュートら新加入の活躍に触れ、「移籍してきた選手たちの貢献はすごかった」と話した。なかでも絶賛した選手がいる。

「なんと言ってもサイズ! 彼が渋谷の救世主です。リバウンドに入る姿勢が良くて、オフェンスリバウンドを何本も取る。名門出身でよく教育されていて、セルフィッシュでない。わがままなシュートも無理な1対1もせず、スクリーンのかけ方は手本のようです。25歳であのプレーはほれぼれします」

 身長205センチ。目を引くアフロヘアのサイズは、つい先日開かれたワールドカップで優勝したスペインの代表選手。本戦ではメンバーから外れてしまったが、予選では活躍していた。

 サイズは5日の試合では、20得点16リバウンド、6日は11得点15リバウンド。前評判にいつわりない活躍ぶりに、今季への期待が高まる。
「千葉はお尻に火が付いたでしょう。石井が抜けて、シューターが田口成浩だけになった。攻撃が富樫と外国人選手のインサイド頼みになってしまう。チームとしての3ポイントシュート数は昨年より減り、逆にあれだけそろっているSR渋谷は増えるでしょう」(外山さん)

 今季の東地区は昨季と顔ぶれが変わらず、レバンガ北海道、秋田ノーザンハピネッツ、宇都宮ブレックス、千葉、アルバルク東京、SR渋谷で構成されている。過去3季すべてB1所属のSR渋谷は、昨季はB2(2部)から上がってきたばかりの秋田より下位に終わった。今年は上位に食い込めるか。勢力図の変動に期待だ。

 Bリーグ開幕に伴い、週刊朝日ムック「B’ 2019-20 B.LEAGUE×井上雄彦」が発売中だ。B1、B2の全36チームの情報と、漫画家・井上雄彦さんのイラストが満載のガイドブック。井上さんが描いたBリーグ29選手が並ぶポスターも付いている。

 多くのチームで新加入選手らが奮戦している今季のBリーグ。これからも続く好カードから目が離せない。
(本誌・緒方麦)
※週刊朝日オンライン限定記事