著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回は、タレント・山田邦子さんの「たん焼 忍」の「ゆでたん」だ。
【写真】「たん焼 忍」の店内の様子。古木を使った店内は郷愁を誘い、居心地のよさも魅力
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「オレたちひょうきん族」に出演していた80年代は、モーレツに忙しくて、楽屋でお弁当ばかり食べていました。たまに連れていってもらう外食が本当に嬉しくて。そんななか「忍」は先輩に誘ってもらった牛たん専門店。もう通い始めて、35年以上になります。
最初に行った時はまだ20代。焼いた牛たんはなんとなく知っていましたが、初めてゆでたんを食べた時はびっくり。えっ、ゆでてるの? なんてやわらかいんだろうって。塩と黒胡椒がかかって、わさびがまた合うんですよ。当時は若いから食欲旺盛で、10枚くらいはぺろっと食べられましたね。
いまは打ち上げで仲間と出かけることもありますし、ひとりカウンターに座ることも。レモンサワー片手に、ゆでたんをつまみます。さすがにもう10枚は無理だけど(笑)。長年通っていますが、いつ行ってもママさんが変わらず「お疲れさま」ってやさしく迎えてくださる。私にとっては心なごむ、わが家のような存在ですね。
(取材・文/沖村かなみ)
「たん焼 忍」東京都新宿区四谷三栄町14-4 松啓ビル1F/営業時間:17:00~22:20L.O.(土22:00L.O.)/定休日:日・祝
※週刊朝日 2019年10月11日号