もう一つ、普及のネックとなりそうなのが、クオカードを読み込んでPay化する仕組みがないことだ。クオカード社の担当者は、クオカードとPayは別物として考えており、両者の“融合”の実現は難しいと話す。

 消費増税を前にキャッシュレス生活を始めたという記者の同僚は、Payの話を教えると真っ先に「以前もらったクオカードをしまいこんだままなんだけど、これはデジタル化できるの?」と尋ねてきた。できないことを伝えると、がっくり。専用アプリのユーザーレビューにも、従来のカードを登録したかった、といった声が目立つ。

「要望の声が多いことは認識しています。当社としては、カードとPayでは使い勝手が違うのでうまく使い分けていただきたい、というのが本音です」(前出の担当者)

「URLを送るだけ」という手軽さの反面、誤送信には気をつけたい。
「ショートメールで宛先の番号を1ケタ間違えて送った」「個人LINEに送ったつもりが、グループLINEに送ってしまっていた」なんてことがあっても、だれかに悪意があれば「ラッキー」とばかりに使われてしまう。

 今回、取材でPayの存在を知った記者は、しょっちゅう幹事を任されている高校クラス会のミニゲーム景品に採用したいと思った。画像のデザインを定型だけでなく、思い思いに彩ることもできるので、クラス会の集合写真なんてどうだろう。もちろん後日送付する際には、クラスLINEではなく個人LINEあてなので、ちょっとめんどくさいけど。(本誌・緒方麦)

※週刊朝日オンライン限定記事