竹内まりやデビュー40周年 3枚組62曲、その広がりと奥行きと (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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竹内まりやデビュー40周年 3枚組62曲、その広がりと奥行きと

連載「知新音故」

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小倉エージ週刊朝日#小倉エージ
●竹内まりや『Turntable』 MOON/ワーナーミュージック WPCL-13077~13079

●竹内まりや『Turntable』 MOON/ワーナーミュージック WPCL-13077~13079

 またジャズ/スタンダード曲は、違った魅力を感じさせ、「You & Night & Whisky~ウイスキーが、お好きでしょ(English Ver.)」はその集大成的な成果と言えるものだ。

“Premium Covers”と題されたDisc.3は、洋楽クラシックスやジャズスタンダード、カンツォーネなど、竹内まりやのルーツを示す内容となった。

“ハード・デイズ・ナイト”のイントロのギターに衝撃を受け、“人生そのものを変えてくれた”というビートルズ。杉真理らのBOXとの共演による12曲からは、ヴォーカルとコーラスのアンサンブルに嬉々として取り組む様子が伝わってくる。

 70年代のウェスト・コーストのヒット曲は、竹内の初期作品の音楽性に通じる。

 一方で、日本人歌手では“ジャンルによって変化する的確な歌唱にすごさを感じる”ちあきなおみが好きだという。彼女に曲を書きたい、と関係者に打診したところ、二度と歌わない、とのことで諦めたというエピソードも明かしてくれた。

 近年の作品では、Disc.1に収められた「静かな伝説(レジェンド)」「いのちの歌」といったシリアスなテーマの曲が目立つ。そして自然な歌唱が印象的だ。当人は“歳を重ねれば重ねるほど、気持ちが素直になっていくのを感じるんです”と語っている。

 親しみをおぼえるメロディー。歌の背景、主人公の心情が浮かび上がるストーリー性のある歌詞。山下達郎との二人三脚による音楽展開。伸びやかな歌唱がもたらす説得力。いずれも“普遍性”を特徴としている。

 竹内まりやのシンガー・ソングライターとしての足跡、音楽的背景だけでなく、ヴォーカリスト、ミュージシャンとしての多面性をも明らかにするベスト・アルバムである。(音楽評論家・小倉エージ)


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小倉エージ

小倉エージ(おぐら・えーじ)/1946年、神戸市生まれ。音楽評論家。洋邦問わずポピュラーミュージックに詳しい。69年URCレコードに勤務。音楽雑誌「ニュー・ミュージック・マガジン(現・ミュージックマガジン)」の創刊にも携わった。文化庁の芸術祭、芸術選奨の審査員を担当

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