そして血糖値が高くならないようにするには、「『ゆとり糖質オフ』をおすすめします。よく血糖値を気にして、食事からごはんやパンなどの主食を完全に抜いてしまう方がいらっしゃいますが、極端な糖質制限は体の栄養バランスをくずしますし、ストレスもたまってしまうものです」。

「ゆとり糖質オフ」では、朝昼晩の食事や間食に、ごはんやパンなどの炭水化物を食べてもかまわない。だが、量は減らす。目安は「糖質1日100グラム」。1食あたり30グラム+間食10グラムと覚えておこう。「糖質30グラム」の目安は、ごはんなら約80グラム(子ども用茶碗の8割くらい)、食パンなら6枚スライスの1枚分にあたる。

 炭水化物を減らしたら、その分おかずは増やすこと。和食の基本「一汁三菜」が望ましい。

「一汁三菜は、ごはんなどの主食、汁物、主菜(肉や魚)1品、副菜(野菜や豆、海藻等の小鉢のおかず)2品という構成です。食べ方としては、とにかく主食を一番最後にすることです。最初にごはんなどを食べてしまうと、腸から糖が吸収されやすいのです」

 そして間食として工藤医師がすすめるのが「おからヨーグルト」だ。

「おからは糖質がほとんど含まれていませんし、高たんぱく、カロリー控えめ、食物繊維たっぷりと体にいいことずくめ。また『やせホルモン』といわれる『アディポネクチン』を増やす成分も多く含まれています」

 工藤医師は食前や食間の空腹時にヨーグルト大さじ8杯とおからパウダー2杯を混ぜて食べるという。

「おからパウダーは水分を吸収すると5倍くらい膨張するので、腹もちもよくなります。空腹時に食べるとかなりの満腹感が得られますから、自然に食事の量を抑えることができるのです」

 たんぱく質は、良質な筋肉を作る材料だ。

「『フレイル(高齢者の虚弱症状)』や『サルコペニア(脂肪が多く、筋肉が少ない状態)』を遠ざけるためにも、おからはぜひ積極的に食生活の中に取り入れてほしいと思います」

 またナッツ類も、間食にはおすすめだという。

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