グラフや図を示しながら本誌記者に説明する山本太郎氏(撮影・伊ケ崎 忍)
グラフや図を示しながら本誌記者に説明する山本太郎氏(撮影・伊ケ崎 忍)
マレーシアを視察したメンバー
マレーシアを視察したメンバー

 7月の参院選で2議席を獲得した「れいわ新選組」の山本太郎代表(44)は、政策の軸に「消費税ゼロ」を掲げる。緊縮財政によるデフレの状態から脱却するためには、財政の出動が必要だと主張し、「税の取り方を変えれば消費税だってやめられる」と訴える。

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「この国では、かれこれ20年以上のデフレが続き、人々の生活と人生はすっかり疲弊してしまいました。すでに生活が苦しく、消費税が8%でもしんどい。だから、今回の(消費増税の)特徴的なこととして、10%に上がる前の駆け込み需要がほとんど起きていません。これは一部の富裕層を除く国民に、買いだめしておこうという体力がなくなっているからです」

 1997年4月、当時の橋本龍太郎内閣のとき、消費税率が3%から5%にアップした。それと同時に政府は支出を抑える緊縮政策にかじを切る。翌98年から日本経済は本格的なデフレに陥る。

「私は、消費税自体がこの国の経済とか人々の暮らしを壊してきたと思っている。消費税を5%に上げたことを、後で橋本さんは、間違いだったと認めてらっしゃいますから。人々の生活を壊すことにつながったということを認識されているわけですね。もちろん、消費税だけではなくて、97年にはアジア通貨危機もあったので、内外で不安定な状況が生まれたという部分もあるとは思うんです。だけど、日本国内での消費の落ち込みであったりとか、就職氷河期であったりとかの、本格的なデフレに突入させる引き金をひいたのは、消費増税であったことは間違いないです」

 その後もデフレが20年以上続いている。

「どういう状態か? 世の中にお金がまわっていない状態。人々はお金がない、もしくは将来に不安があるからお金を出さない。消費が弱まっていけば、投資をしようという企業が減るのは当たり前なんです。人々も企業も金を出さないということは、世の中にまわるお金が、より少なくなっているということ。これに加えて政府が支出を削減したり、増税したりすると、さらにまわらなくなる。まわってるお金を間から抜いていくのが増税。より状況が悪くなるに決まっている」

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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