「二階幹事長は替えられないでしょう。参院選でも勝利したからね。二階さんを副総裁、党幹事長を麻生太郎財務相にし、甘利明元経産相を後釜の財務相にということを言う人もいるが、難しいんじゃないか。麻生さんがウンと言わないみたいだ」

 二階派幹部は「とにかくうちは二階先生の留任が一番」と言う。

「参院選で勝利して、公明党との良好な関係を築けているのは二階先生のおかげですよ。二階先生が失脚したら後釜には岸田文雄政調会長が取り沙汰されているけど、岸田派は参院選で広島、秋田、滋賀、山形と4つも落とした。幹事長は選挙に強いことが絶対条件。安倍さんが広島で『令和は岸田さん』なんて言って喜んでいたが、そうもいかないよ」(二階派幹部)

 その岸田派幹部も弱気になっているという。

「うちの派閥は参院選で負けてばっかりだったので、次の組閣で強気に出られないね。勝っていれば、二階さんの後は、岸田先生が幹事長ってことだったんでしょうが、これじゃあ偉そうには言えないよ。根元匠厚労相が留任するかもという話もある。根本さんは安倍さんとのパイプもあり、力をつけているので、岸田会長もひやひやものですよ」
 

 石破茂元幹事長が派閥領袖の石破派からは山下貴司法相が内閣にいるが、組閣ではどうなるのか。

「石破さんのところは、山下法相は交代かもしれない。そうなると、大臣はゼロ。石破派では後藤田正純氏が何とか大臣がやりたくて仕方がないようだが、地元徳島でも問題ばかり起こして、県議らが幹事長に陳情にくるほど。あれだけスキャンダルがあったら身体検査、通らんよ」(前出・二階派幹部)

 次の改造内閣で誰がどんな閣僚ポストを獲るかで、派閥の浮き沈みも占えそうだ。(今西憲之/本誌 上田耕司)

※週刊朝日オンライン限定記事

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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