帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など多数の著書がある
帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など多数の著書がある
帯津良一さん (撮影/多田敏男)
帯津良一さん (撮影/多田敏男)

 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。老化に身を任せながら、よりよく老いる「ナイス・エイジング」を説く。今回のテーマは「疲れから解放される」。

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【ポイント】
(1)年齢とともに疲れやすくなるのは当然
(2)疲れを認め、それからいち早く脱却しよう
(3)「心」「食」「気」の3つの側面から対応しよう

 年齢とともに疲れやすくなるのは、当然のことだといえます。特に夏の暑さは体力を消耗します。

 私も、ほんのこの1年のことなのですが、病院やクリニックで一日中、患者さんを診察して夕方になると、疲れたなあと感じることがあります。

 1年前まではそんなことがなかったので、少し残念なのですが、私の場合、幸いなのは、仕事が終わって6時半からの晩酌を始めると疲れが消えてしまうことです。むしろ、疲れたなと思った後に飲むビールは格別です。

 まずは老化とともに疲れやすくなるのを認めたうえで、いち早く脱却する方法を考えるのが、ナイス・エイジングではないでしょうか。

 疲れに対する対応は一般的な養生と同じで3つの側面があると思います。それは「心」「食」「気」の側面です。

「心」でいえば、私の晩酌が典型的な例なのですが、うまく気分転換するということです。その気分転換で大事なのは、心のときめきです。ちょっとしたことでいいのです。疲れたなと思ったら、心のときめきを見つけましょう。

 先日、私が見つけたちょっとした心のときめきは「カツオの刺し身」でした。講演の帰りに空港に着いたら、まだ搭乗まで時間があります。よし生ビールを飲もうと考えたのですが、ちょっとしたつまみが必要です。それを求めて空港のレストラン街を歩いていて見つけました。490円の「カツオの刺し身」。これだと思ったら、心がときめきました(笑)。

「食」については好きなものを食べるというのが基本ですが、まずは温かいものを食べるというのも重要です。夏でも冬でも温かいものがいいのです。中医学では温かいものは脾胃(胃腸)が好むといわれています。食べ物自体、脾胃が好むものであれば、なおさらいいですね。

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帯津良一

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帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

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