「捕鯨」には愛がある? 東海林さだおと“守る会”小泉武夫が「鯨」対談

週刊朝日

[左]東海林さだお(しょうじ・さだお)/193... (08:00)週刊朝日

[左]東海林さだお(しょうじ・さだお)/193... (08:00)週刊朝日
 31年ぶりに、日本の商業捕鯨が再開された。日本人は縄文時代から鯨を食べ、ひげや皮、骨を加工し、暮らしの道具として活用してきた。漫画家でエッセイストの東海林さだお氏と、食に関する著書を多く出し、NPO「クジラ食文化を守る会」の理事長を務める小泉武夫氏が、東京・神田にある鯨料理屋で、捕鯨問題と鯨料理の魅力を語り合った。

【鯨の刺し身や鯨のステーキなどの写真はこちら】

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東海林さだお:商業捕鯨が再開されましたね。日本人のソウルフードともいえる鯨料理を楽しみながら捕鯨問題を語ろう、というのが本日の企画です。鯨料理をいただくのは4、5年ぶり。楽しみにしてきました。

小泉武夫:ええ。都内の鯨料理屋は、居酒屋も含めると60軒ほどあります。なかでも、ここ「くじらのお宿 一乃谷」は有数の料理店です。

 まずは鯨肉の刺し身から味わってください。鯨のアゴ骨を覆う歯茎にあたる「鹿の子」です。脂肪の中に赤身が鹿の子状に散らばり、とろけるような食感。

東海林:ほんと、ぼくは「鹿の子」が食べたくてね。歯ざわりがすごい。

小泉:舌の肉の「さえずり」は、脂肪がピロピロしていますよ。

東海林:「鹿の子」に「さえずり」。名前の付け方が文学的ですね。

小泉:「尾の身」は、背ビレから尾までの背中の部分で、脂が霜降り状になっています。脂と肉身の中間の「ベーコン」、腎臓の「マメ」、下あごからへその手前までの「畝須(うねす)」。

東海林:巨大な鯨は、部位によって味がまったく違う。肉の王国ですね。これは食べなきゃだめですよ。

 しかし鯨肉は、お店で見かけませんし、食べる機会もなかなかありません。

小泉:東海林先生が小学生のころは、給食に鯨が出ましたか。

東海林:ええ、竜田揚げや大和煮。あれは、硬くておいしくなかったね。

小泉:あのころ、給食に出ていたのは、硬くてクセも強い鯨肉でした。筋が多く、良い部位ではなかった。

東海林:このお店の鯨の種類は何ですか。

小泉:いま出ているのは、イワシクジラです。ミンククジラと同じくらい、おいしいです。

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