岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、アメリカ・ワシントン州フォークスの「ニャンパイヤ出没注意」です。

【今週の猫の写真はこちら】

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 ガソリンスタンドに寄ると、奇妙な掲示板があった。

「バンパイア出没注意」

 ふと、視線を感じて振り返る。耳の尖(とが)ったグレーの猫が眼光鋭く、こちらを凝視している。

 オリンピック国立公園の西側の町フォークスは、吸血鬼が主役の映画「トワイライト」シリーズの原作の舞台。雨と霧の町と言われ、苔むした草木に、うっそうとした森が広がる。いかにも吸血鬼が出てきそうだ。

 そういえばさっきの猫、バンパイア顔だったなぁ。あたりを見回すも跡形はなく……。

デジタル岩合
http://www.digitaliwago.com/

週刊朝日  2019年8月30日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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