日雇い労働者と子どもが…写真家・庄司丈太郎が見た昭和の釜ケ崎

吉川明子週刊朝日
 1970~80年代の日本といえば、第2次ベビーブーム世代の子どもたちがすくすくと成長した昭和真っ盛りの時代。大阪・釜ケ崎にもまた、環境をものともせず、元気いっぱいに暮らす子どもたちがいた。

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 日雇い労働者の街として知られる大阪・釜ケ崎。最近では安価な簡易宿泊所目当てに旅行者が集まるようになっているが、かつては治安が悪く、時折暴動も起きるような地域だった。

 写真家の庄司丈太郎さん(73)が、この地域で日雇い労働者として働く傍ら、写真を撮っていたのは1970~80年代のこと。そこで、貧しくとも元気な子どもたちと交流を深めていく。

「外で遊ぶ子どもは日雇い労働者をつかまえては、『おっさん遊んで~なぁ』と催促する元気な子ばかり。私も童心に帰り、一日中遊びました」(庄司さん)

“傍観者ではなく、人を救う写真生活者”が信条の庄司さんは、信頼関係が確立するまで決してカメラを向けなかった。それだけに、庄司さんが切り取った子どもの表情はどこまでも自然だ。

 庄司さんは、27年ぶりに写真集を出版したのが縁で、当時交流があった少女の一人と電話でやりとりする機会に恵まれた。

「いま、その女の子は釜ケ崎にある福祉施設の責任者になり、大活躍しているそうです。彼女は喜びも悲しみも共にできる人ですから。ガンバレ!」(同)

(構成・文/吉川明子)

週刊朝日  2019年8月30日号

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