「八村は大学時代、チームディフェンスで正確な判断をすることに苦労していた。日本の高校では身体能力が誰よりも高く、それだけで十分に守備ができたため、ディフェンスのIQが高まらなかったのだろう。5対5というチームの中でどう動くのか。考え方を理解し、改善していく必要がある」(エリックさん)

 本人は自分の弱点についてどう考えているのか。都内で開かれたイベントに参加した八村を直撃すると、

「チームはオフェンスもディフェンスもできるプレーヤーとして僕をドラフトしてくれたと思う。どのポジションでも守れるように意識して練習している。スリーポイントは、僕の練習のために技術コーチをつけてもらっていて、期待を寄せられていると感じています」

 と事もなげに答えた。先のエリックさんは「課題を乗り越えれば、将来、オールスター選手になれる」と評価する。これからどう成長するのか、注目したい。(本誌・吉崎洋夫)

週刊朝日  2019年8月30日号

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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